マニラのeそよ風

 トップ  >  「マニラのeそよ風」一覧

第215号 2004/01/08


三人の賢者

 「賢者たちが主に捧げた黄金、香、没薬、天主の御子、偉大な王への贈り物は3つである。」
1月8日の賛課の中にあるベネディクトゥスのアンティフォナより

アヴェ・マリア!

兄弟姉妹の皆様、

 新年明けましておめでとうございます。旧年中は多くのご支援とお祈りをありがとうございました。今年もよろしくお願いします。

 フィリピンの「勝利の聖母」の教会では、クリスマス直後から男性のために聖イグナチオによる霊操の黙想会が行われ、私もフィリピンに戻るやいなやこの指導に狩り出されました。十余名の方々は聖なる年末を過ごし、思いも新たに新年を迎える恵みを受けました。

 韓国のソウルでは昨年のクリスマス・イブの晩に、昨年生まれたばかりのキム・ヨゼフ君キム・ウンさんの3番目の子供が洗礼を受けました。この男の子のためにお祈り下さい。 新年早々のこのようなことを申し上げなければならず、残念なのですが、「マニラの eそよ風」第120号 (2003/04/23)では、日本の堕胎の悲しい数について言及したのを覚えていらっしゃるでしょうか。【読売新聞(2002年8月8日)によると、2001年は一日平均すると936名もの日本人の子どもが母親の胎内で殺され続けた(1年間に約34万名)のです。この虐殺は、今でも毎日、日本各地で引き続き行われています。】

 ところで、韓国では、1日約4000名の女性が堕胎をしていると言う、恐るべき推計がされています。つまり、1年で150万名の韓国人市民が母親の手によって命を奪われている、という計算です。韓国は、アメリカと比べると人口は5分の1ですが、堕胎の数はアメリカと同じになっている計算です。残念なことに韓国では自殺の数も増加する一方です。韓国のカトリック教会では、1972年に合法化された堕胎を廃止させるためにその法律成立後31年目の2003年2月に「ライフ31」という運動が始まったそうです。
【From: http://www.fides.org/eng/news/2003/0311/18_1210.html



 さて、来年の2004年の聖ピオ十世会の日本における聖伝のミサの予定の日本語ができましたので兄弟姉妹の皆様にお知らせいたします。

 2004年の間、私たちの主イエズス・キリストが、ますますよく知られ、愛され、奉仕されますように。私たちは、聖伝のミサの旗の下に、聖伝のカトリックの信仰生活を送ることによって、カトリック信仰が染み通った私たちの日常生活を捧げることによって、私たちの生を聖化していきましょう。この1年間の間、私たちの愛徳の黄金、犠牲の没薬(もつやく)、祈りの香を、王なる幼子イエズス・キリストにお捧げ致しましょう。

 私たちは、イエズス・キリストをますます深く愛するために、イエズス・キリストのことをよく知るように努めましょう。自分が好きなテレビドラマの主人公やストーリーなどはよく知っていて、主題歌もすらすらと歌うことができる人も、イエズス・キリストについては全く知らない、とはおかしな話しではないでしょうか。

 ですから、私たちは特に公教要理を勉強致しましょう。西村良次師の『宣教事始』によると、1912年(明治45年)当時の小松原教会で活躍するブスケ神父様のことを書きつつ、小松原教会では1912年の新年早々はこうだったそうです。

 「そのころ、日本の全教会は日曜日のミサのあと、すぐには帰宅せず、聖堂で公教要理を学ぶ良い習慣があったので、1月7日の日曜日より当教会(=小松原教会のこと)においてもこれを実施するから、信者は使用本『公教初歩』の第1章、天主のころを暗記してくるように、どうしても覚えられない方は本を開いて読んでもよい、という知らせがあった」(180ページ)そうです。

 私たちも、日本のよき聖なる伝統に従い、特に主日の聖伝のミサの後には、公教要理の勉強を続けてすることに致しましょう!


トマス小野田圭志 (聖ピオ十世会司祭)