マニラのeそよ風

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第324号 2006/01/11

アヴェ・マリア!

 愛する兄弟姉妹の皆様、
 私たちの主イエズス・キリストの御聖誕と新年のお喜びを申し上げます。

 天主の御言葉は、人間となって私たちの内に住み給うた --- という玄義を、今年のクリスマスに私は深く思っていました。天主のお恵みにより昨年、私はアメリカの大自然を見ることができました。海の魚と野生の動物たち、洞窟と森林とを。そして、それらを創造された全能の天主の力に感嘆しました。

 天にまします全知全能の天主は、万物の根源であり、従って、全てのものの善の源。天体を動かし、星々を支配し、太陽の熱を創ったその至福の天主が、天から地上に降りて、馬小屋に生まれ、寒さに凍え、泣いておられる。私を天に引き上げるために。私を豊かにするために。私を暖かくするために。私を幸福にするために。私を愛するために。

 幾多の銀河を創り、金銀の鉱脈を創り、石油と天然ガスとダイヤモンドなどの宝石を地下に埋めた天主が、生まれる家もなく、家畜の食べる飼い葉の藁の上におかれて休んでおられる。人々から疎外され、拒絶され、ほとんど棄てられている。お生まれになった天主の御誕生を喜んだのは、天主の御母聖マリアと聖ヨゼフと幾人かの牧童、そして家畜だけ。何故、ここまで苦しまれるのか? それは私を愛するために。

 人間となった天主の御言葉は、泣いておられる。寂しいよ、寒いよ、お腹が減ったよ、と? いや、天主なる幼子は、私からの愛を求めて泣いておられる。この世の人のおしゃべりを聞いて寂しくて泣いておられる。「キリストなんて、私とは関係ない。私は、キリストなんて知らない、知りたくない。」

 天主なる赤子は、何をお考えなのか? 起きていても眠っていても、イエズスは私のことを考えておられる。私のために十字架の上で死ぬことを。私を愛するが故に、苦しみの受難を耐え忍ぶことを。人々を救うために、艱難を受けることを。

 私のために全てを下さったこの天主なる幼子の愛に愛で返事をする以外、一体何ができるだろうか。私たちのためにお生まれになったイエズス・キリストの愛に愛で答えたい。この幼子に、黄金と没薬と乳香を捧げた東の国の博士たちは、何と幸せな方たちだろう。私の愛はあまりにも貧しいから、マリア様に助けを求めよう。私の犠牲心はあまりにも弱々しいから、マリア様に手伝ってもらおう。私の祈りはあまりにも不完全だから、マリア様に祈ってもらおう。


To the Infant Jesus in the Crib

Oh, how I love Thee, Lord of Heaven above!
Too well hast Thou deserved to gain my love;
Sweet Jesus, I would die for love of Thee.
For Thou didst not disdain to die for me.

I leave Thee, faithless world, --- farewell! depart!
This lovely Babe has loved and won my heart.
I love Thee, loving God, who from above
Didst come on earth, a Babe, to gain my love.

Thou tremblest, dearing Child, and yet I see
Thy heart is all on fire with love for me:
Love makes Thee thus a child, my Saviour dear;
Love only brought Thee down to suffer here;

Love conquered Thee, Great God, love tied Thy hands,
A captive here for me, in swathing-bands;
And love, strong love, awaits Thy latest breath,
To make Thee die for me a cruel death.

(by Saint Alphonsus de Liguori)


 旧年中は、兄弟姉妹の皆様からの多くの応援とお祈りをいただきました。心から感謝をいたします。兄弟姉妹の皆様は、イエズス・キリストから委ねられた大切な霊魂であり、私にとって大きな支えです。「マニラの eそよ風」をお読みになって下さり、大きな励みです。兄弟姉妹の皆様から寄せられた信頼を、ありがたく思っております。またご健康が優れないにもかかわらずいつも「マニラの eそよ風」をウェッブ・サイトにアップして下さっているウェッブ・クリエイターさんにも、兄弟姉妹の皆様に代わって厚い御礼の言葉を申し上げたいと思います。

 ご自分があるいは愛する家族の方がご病気で苦しんでおられる方々、辛いことがあって悲しんでおられる方、物事が思うように運ばずに思い悩んでおられる方、私は毎日の聖伝のミサのときに、イエズス・キリストの犠牲に合わせて兄弟姉妹の皆様のその十字架を私たちの主の御血のカリスの中に入れて天主に謹んでお捧げいたします。

 何と言うこともない気まぐれなそよ風が、時には暑さを忍ばせ、人々の心を慰めることができるように、兄弟姉妹の皆様にとって「マニラの eそよ風」が、何気ないそよ風のようなものになれば、と願います。私にとって大切な兄弟姉妹の皆様が、日々の十字架を担うべき力と勇気が与えられますように、これに祈りを付けて共に発信していきたいと願っています。

 新しい2006年が、私の愛する兄弟姉妹の皆様にとって聖寵と天主の祝福に満ちた年となりますように、心よりお祈り申し上げます。


【ニュース】

 昨年10月には、フェレー司教様が来日されましたが、その様子の写真が 外国語サイト リンク アジア管区のウェッブ・サイト に掲載されています。ご覧下さい。皆で撮った写真は、フェレー司教様の講演の後、最後まで残った人々と撮った写真ですので、中には写っておられない方も多々いらっしゃりますが、ご了承下さい。

 さて、韓国の私たちの聖堂では、昨年のクリスマスの真夜中の聖伝のミサに、条件付きでミカエル・ホン・ウィヤン君が洗礼と初聖体を受けました。お祈り下さい。

 聖ピオ十世会アジア管区の喜ばしいニュースとしては、12月27日にオーストラリアの聖十字架神学校で4名が司祭に叙階され、その内の3名はフィリピン人司祭でした。私も彼らをよく知っていただけに喜びはひとしお大きく、フィリピンを代表して私はオーストラリアまでその叙階式に行ってきました。

 叙階式の写真は、次のウェッブ・サイトでご覧下さい。

The 2005 Ordination Ceremonies at Holy Cross Seminary
外国語サイト リンク http://www.sspxasia.com/Countries/Philippines/photos_2005_December_27.htm
外国語サイト リンク http://www.sspxasia.com/Countries/Philippines/photos_2005_December_27_pg2.htm
外国語サイト リンク http://www.sspxasia.com/Countries/Philippines/photos_2005_December_27_pg3.htm
外国語サイト リンク http://www.sspxasia.com/Countries/Philippines/photos_2005_December_27_pg4.htm
外国語サイト リンク http://www.sspxasia.com/Countries/Philippines/photos_2005_December_27_pg5.htm
外国語サイト リンク http://www.sspxasia.com/Countries/Philippines/photos_2005_December_27_pg6.htm
外国語サイト リンク http://www.laportelatine.org/international/communic/
presse/oceanie/2006/ordinations.php

外国語サイト リンク http://www.laportelatine.org/international/communic/
presse/oceanie/2006/ordinations1/ordinations1.php


 叙階式に与り、カトリック教会に新しい司祭が生まれた喜びを分かち合った人々の中で、日本国籍を持つ方は、私も含めて9名もいました! 叙階式には28名の司祭が来られ、なつかしい神父様たちとお会いすることができ、私にとっても本当に嬉しいときでした。以前来日されていたロビンソン神父様、1994年に来日されたピーク神父様、最近来日されたヴァション神父様またエグリ神父様、ベッヒャー神父様などにお会いすることができました。

 叙階式の後にはベッヒャー神父様ともう一人の日本人信徒の方と一緒に、メルボルンまで行きました。道中、タイノン(Tynong)にある聖ピオ十世会の運営する学校(ここでヴァション神父様にお会いしました)に立ちより、メルボルン郊外のハンプトンにある修道院で時を過ごしました。

 特に、オーストラリア管区長のブラック神父様(今年3月に来日の御予定です)が、ハンプトンの修道院での最初の聖伝のミサ25周年記念の行事のために来られ、1月1日の主日には、荘厳ミサと共に、20年前にルフェーブル大司教様と共に豪州、米国、カナダ、アルゼンチンなどの国々を視察されたときの貴重なスライドを皆に紹介して下さいました。またこの主日には、以前、来日の祭に東京の聖伝のミサにおこしになった在オーストラリアの日本の方とも会うことができ、喜びを深めました。

 フィリピンでは、新司祭であるファラルクーナ神父様が1月8日の主日で、初ミサを捧げました。ニュー・マニラの「勝利の聖母」教会は、それこそ人でいっぱいになりました。新司祭が、多くの信徒の皆さんに祝福を与えて後、祝賀パーティーが開かれました。

 来る1月13日にも、ヘラ新神父様の初ミサと祝賀会が計画されています。ヘラ神父様は、フィリピンのイロイロに新しく任命される予定です。また2月5日にニュー・マニラで初ミサと祝賀会が予定されているドロティーナ新司祭は、まず自分の出身地のボホルとセブで初ミサを立てて、休暇を過ごす予定です。ドロティーナ神父様は、ニュー・マニラに新しく任命される予定です。

 彼らと同時に叙階されたオーストラリア人新司祭は、タイノンの聖ピオ十世会経営の学校に任命される予定です。


【2006年の予定】

 では、今回は、今年の聖伝のミサの予定表を兄弟姉妹の皆様にお送りしたいと思います。今年の2月は、シンガポールの修道院長であるパリヤラニ神父様が、3月には、オーストラリア管区長のブラック神父様が来日され、東京でミサ聖祭を捧げて下さる予定です。これらの月以外にも、なるべく多くの神父様に来日して頂く予定です。

 ところで、スケジュールはさまざまな事情により変更されることもあり、以下に記されている以外の日にも、聖伝のミサが捧げられるようになることもあります。ご承知おき下さい。

 特に、今年は7月に聖ピオ十世会の総会が開かれ、総長選出の選挙がなされます。また、今年の12月上旬にはアルゼンチンの神学校でフィリピン人神学生が司祭に叙階される予定で、アジア管区長がその叙階式に出席する予定です。それらの影響を受けて、私たちの予定の変更を余儀なくされる場合があるかもしれませんので、あらかじめご了承下さい。もしも何らかの変更があるような場合には、いち早く兄弟姉妹の皆様にお知らせいたします。

 聖母の汚れ無き御心よ、我らのために祈り給え!
 天主様の祝福が豊かにありますように!


 トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)