第312号　2005/11/18 聖ペトロ大聖堂および聖パウロ大聖堂の教会献堂式の記念の祝日

アヴェ・マリア！

　兄弟姉妹の皆様、
　お元気ですか。

　フェレー司教様が来日された時、大阪と東京とで講話をして下さいました。以下のアドレスをクリックしていただくと講話の録音を聞くことができますので、よろしかったらお聞き下さい。

(1) 2005年10月22日　大阪での講話（40,700 KB）1時間26分49秒
(2) 2005年10月23日　東京での講話 part 1（31,564 KB）1時間07分20秒
(3) 2005年10月23日　東京での講話 part 2（37,432 KB）1時間19分51秒

　すこし遅れましたが、たくさんのお祝いと励ましのメールをありがとうございました。心から感謝します。「マニラの eそよ風」でも少し紹介させて下さい。

　次のサイトも : 　http://amateur-gregorien.hp.infoseek.co.jp
　よろしくお願いします

◎　ところで、鳥インフルエンザが中国で感染が確認されたそうです。中国の鳥インフルエンザ感染死者数の内部資料によると、今年に入ってから11月12日まで感染による死亡は１３省で発生し、死亡人数は合計310人、隔離人数は5554人。当該データの数値は、国務院の「許可」を得た数値であるため、実際の人数より低く抑えられているという。資料提供者は中国衛生部高官から当資料を入手したというが、現段のところ入手経路は確認されていないそうです。
（　http://www.epochtimes.jp/jp/2005/11/html/d75432.html による）

　『インフルエンザ危機（クライシス）』（河岡義裕著・集英社新書2005年）によると、WHOの発表によると、今年の8月現在で56名だったそうですが「実際にはその十倍以上の人が鳥インフルエンザで死亡しているだろう」と公式見解を出しているそうです。同書によると鳥インフルエンザの H5N1 というのは、A型インフルエンザの表面にある二種類の糖タンパク質（ヘルグルチニンHAとノイラミニターゼNA）の種類のことだそうです。A型インフルエンザには、HAが１～16、NAには1～19の亜流が存在するそうです。H5N1 は、A型インフルエンザでヘルグルチニンHAが5、ノイラミニターゼNAが1の亜流、という意味だそうです。

　この鳥インフルエンザ（H5N1）というのは、呼吸器官以外でも全身に感染するそうです。人にかかった場合、その半数の方が今までになくなっており、致死率は極めて高いとのことです。鳥インフルエンザが普通のインフルエンザと合併して罹ると致命的だとのことです。

◎　さて、私たちは霊的にも「予防接種」と「うがい」「手を洗う」の慣行をよくして下さい。この世には、その「ウイルス」に感染してしまうと信仰を失わせ、道徳的に頽廃させ、権威をないがしろにさせる猛毒な思想、世間体、情欲、悪魔の誘惑などが全世界を駆けめぐっておりますから。私たちにとって霊的予防接種とは、聖伝の公教要理であり、聖伝のミサです。「うがい」ロザリオの祈りであり、霊的聖体拝領です。「手を洗う」は日々の良心の究明であり、頻繁な告解です。あと「マスク」も必要ですって？　そうですね。新しいミサに与らないことが「マスク」になるかもしれませんね。

◎　霊的に「手を洗う」の一つである告解は聖伝に従えば次のようなやり方になります。

■　告白前の祈　■

（これは個人的に唱えます。これらの祈りを必ず全て唱えなければならないということではなく、こんな祈りを唱えたらよいだろうといういわゆる「お勧め」の祈りである。）

準備の祈

　聖なる天主、主はいつにても罪人の祈りを聴き、その罪を赦し給うにより、われ今心の底より罪を痛悔し、かいしゅんの秘蹟をもって潔められんことを求め奉る。願わくは、わが智恵を照して罪をことごとく弁えしめ、わが心にくだりて罪を深く悔ましめ、罪を正しく告白せしめてこれが赦しをこうむらしめ給え。

究明の前に聖霊の助けを願う祈

　光の源なる聖霊、わが心を照らし、犯せし罪を弁え知らしめ給え。願わくは、この世を去りて主の御前に御裁きを受くる時と等しく、今明らかにわが罪を知ることを得しめ給え。聖なる天主、主に対し、他人に対し、おのれとおのが職分とに対して犯したる罪をことごとく思い出（いだ）さしめ給え。真理をよみし給う天主、わが心をして私情に暗まざらしめ、あるがままにおのれを弁え知り、主の代理者なる司祭に言い現すを得しめ給え。

良心の究明をする

　天主の十戒について、公教会の掟について、また、自分の本分を全うしたか否かを特に究明する。

痛悔の祈

　主よ、われは幾度（いくたび）も主に背くまじと決心しながらも、なおしばしば同じ罪に陥りたることを深く心に恥じいり奉る。いかなれば、われは御心に逆らうを知りつつも、いささかなる事のために、重ねて罪を犯したりしぞ。ああわが天主、いと仁慈にして寛容なる御父よ、御身の正義に従いてわれを罰し給うなかれ。されどわれは罪のために受くべき罰を恐るるよりも、むしろ御心に背きしを恥じて、これを悔み奉る。真実に痛悔するわが心をみそなわし、おぼえたる罪とおぼえざる罪とをことごとく赦し給え。われ今罪を忌み憎みて、ことごとくこれを棄つ。もし能わばわが血をもって罪の汚れを洗い潔め、わが持ち物をことごとく献げて御心に背きし罪科（つみとが）を償わんと欲す。願わくは、救世主の聖心（みこころ）にたたえられたる御悲しみの一滴（ひとしず）くをわれに注ぎ給いて、心の底より罪を悔ましめ給え。

遷善（せんぜん）の決心をなさん

　主よ、われは不幸にして罪を犯せり。今より後は聖寵の助けによりて、主に背くまじと堅く決心し奉る。われ罪を避くるのみならず、その原因と機会とを避け、ことに習慣、悪意、およびおのれの弱きによりてしばしば犯したる罪をもことごとく避けんと欲す。また司祭のわれに示さるる言葉をば、主の御戒めとして、謹みてこれを受け、また約束を結ぶにも皆主に向いてなすものと思いて堅くこれを守り奉らん。

依り頼む心を起さん

　ああ天主、主の限りなき御あわれみと救世主イエズス・キリストの御功徳とによるにあらざれば御怒りを免がるること能わざるべし。されど主は罪を悔みて告白せんとする罪人のためには御子イエズスの御祈りを聞きすて給わざるなり。仁慈なる御父よ、かく頼もしく思い、真実とけんそんとをもってわが罪をもれなく告白し奉る。願わくは司祭が地において与うる赦しを天においても認め給え。

聖母と守護の天使とに御助けを願わん

　あわれみ深き御母聖マリア、わが今受けんとする秘蹟によりて、犯せる罪はことごとく赦され、重ねて罪を犯さざらんために、必要なる聖寵をわがために請い求め給え。
　忠実なるわが守護の天使、わがさきに倒れしを知り給えば、今まさに起きんとするに当りて、この秘蹟により、再び倒れざる力を得んためにわれを援（たす）け給え。アーメン。

■　告白場にいたりての祈　■

　［痛悔者は司祭の元に跪いて次のように言う］

＋　聖父と聖子と聖霊との御名によりて。アーメン。
われ、霊父（れいふ）の祝福をこいねごう。

　［もし時間の余裕がある場合には、痛悔者は次のように言う。ここは既に唱えておくことが出来る］

(全能の天主、終生童貞なる聖マリア、大天使聖ミカエル、洗者聖ヨハネ、使徒聖ペトロ、聖パウロ、および諸聖人にむかいて、われは思いと言葉と行いとをもって多くの罪を犯せしことを告白し奉る。）

　[次にこの前何時告白したか、罪を赦され償いを果したかをいい表し、その後犯した罪を告白する。大罪はその事情とその数とを知っている限り言葉少く明瞭に告白する。悔悛の秘蹟は大罪の告白は義務であるが、大罪以外にも、小罪についても、不完全さについても、既に告解して赦された罪についても、自由に告白することが出来る。また司祭の問いがあればこれに答える。]

【例えば】

　「この前の良い告解は一週間前でした。罪の赦しを受け、与えられた償いを果たしました。それ以後犯した罪を告白します。私は、○○の罪を△回犯したことを自己告発します。また私は、□□の罪を～～回犯したことを自己告発します。・・・

　私は過去犯した全ての罪と、今思い出せない全ての罪をことごとく自己告発します。私は、天主の御助けによって以上の罪を心から忌み憎み、この罪に陥ったことを痛悔します。

　天主からは罪の赦しを、司祭からは償いと秘蹟による赦しの御恵みを願い求めます。」

　或いは

　「この前の告解は11月1日でした。罪の赦しを受け、与えられた償いを果たしました。その時、告白するつもりで告白し忘れてしまった罪があったので告白します。私は、○○の罪を△回犯したことを告白します。今からは前回の悔悛の秘蹟以後、犯した罪を告白します。私は、□□の罪を～～回犯したことを告白します。・・・」

【避けるべき例】

　「このまえの金曜日は、親戚が沖縄から来ましたが、この親戚はカトリックではありません。良い天気でしたので、外出して一緒に公園に行ったのですが、親戚からいろいろな相談事を受けて、それでうっかり夢中になっていたので買い物に行く時間が無くなってしまいました。夕食の準備をするのに、冷蔵庫の中にあるものだけで作ることになってしまい、すき焼きを作ったのですが、金曜日と言うことを忘れて肉を食べました。・・・」

　「私の息子の～～～は、女性の友人に～～～さんがいて、彼女は私に××××のようなことをしました。なんて酷いことをする女性だろうか、と思っていると、彼女はある時には、理由も無く、○○○○のような悪いことを私にしたり、×××と言ったりしました。そこで私は彼女に腹を立てました。・・・」

【注】

　例文中の「良い告解」とは、大罪を全て故意に隠すことなく告白した告解のこと。もしも一つでも大罪を故意に告白しなかった場合には涜聖の告解となって無効となり、良い告解とは成らない。

　「自己告発します」という言い方は、悔悛の秘蹟が「赦しを得るための裁判の法廷」であるという事実に由来した言い方で、自分を告発・告訴し、裁判官である司祭から、判決に「天主からの罪の赦し」を得る。そのため、欧米語では例えば、I confess myself of... Je me confesse ... などと「告白します」という代わりに、I accuse myself of ... Je m'accuse de ... 「自分を告発・告訴します」と言うのが普通である。しかしこれは例文であって、「～～の罪を～～回犯したことを告白します」でも構わない。

　告白は、罪のポイントだけを告白し、付帯的な状況（日付、場所、天候など）は罪の種類を変えるものではない限り述べる必要がない。
　告白の時には第三者の名前を出さない。
　告白時には、自分の罪を自己告発するのであり、第三者の罪を告発・告訴しない。

　[告白し終ってから司祭に次のように唱える。]

　かくおぼえたる罪とおぼえざる罪と洗礼以来犯したる罪とをことごとく痛悔し、これが赦しと償いとの御恵みを請い求め奉る。

　［もし時間の余裕がある場合には、痛悔者は次のように言う。既に唱えておくことが出来る。］

　（これわがあやまちなり、わがあやまちなり、わがいと大いなるあやまちなり。これによりて、終生童貞なる聖マリア、大天使聖ミカエル、洗者聖ヨハネ、使徒聖ペトロ、聖パウロ、および諸聖人および霊父に、わがためにわれらの主なる天主に、祈られんことを願い奉る。）

　[他に多くの告白者ある場合は括弧中の部分を告白前に唱えて置く。これをいい終って後、司祭の命ずる勧めと償いとを謹んで聴く。司祭はもしも赦しを与えるにことができると判断すれば、「痛悔の祈りを唱えて下さい。罪の赦しを与えます。」などと命ずる。痛悔者は、命じられた通り痛悔の祈り（下に記載されてある）を唱える。司祭はラテン語で赦しの言葉を唱え始める。痛悔者は、司祭が十字架の印をする時に十字架の印をする。］

痛悔の祈

　ああ天主、われ、主の限りなくきらい給う罪をもって、限りなく愛すべき御父に背きしを深く悔み奉る。御子イエズス・キリストの流し給える御血(おんち)の功徳(くどく)によりて、わが罪を赦し給え。聖寵の助けをもって今より心を改め、再び罪を犯して、御心(みこころ)に背くことあるまじと決心し奉る。アーメン。

　[司祭は痛悔者に「安心してお行き下さい」「平和に行きなさい」などと言う。痛悔者は告白場を退いて、天主から賜った御恵みを感謝する。そしてなるべく早く与えられた償いを果たす。]

■　告白後の祈　■

　（これも、告白前の祈と同様に、個人的に唱えます。これらの祈りを必ず全て唱えなければならないということではなく、こんな祈りを唱えたらよいだろうといういわゆる「お勧め」の祈りである。）

信仰と信頼心を起さん

　あわれみ深き天主、われさきに罪を犯したれども、今かいしゅんの秘蹟によりて全く赦されたり。仁慈なる天主、われ今主の代理者より罪の赦しを受けたるが故に、もしわがなせる痛悔にして御心に適いしならば、再び聖寵をこうむりしならんと頼もしく思い奉る。今この御恵みを受けたるは、救世主イエズスのわれらのために流し給える御血の功徳にして、わが罪の傷のいやされたるは、全く御傷の功力(くりき）によることと謹みて信じ奉る。

主に感謝せん

　われいかにして天主に感謝し、その御恵みに報い奉らん。主はわが罪のために受くべき苦しみに換え、わずかなる償（つぐの）いをもって、辱（かたじけな）くも罪をことごとく赦しかつ忘れ給えり。ああ主は限りなく聖善にして慈悲深き御者にましますが故に、罪人なるわれをかくも恵み給う。われ、今日（こんにち）より日々に感謝を献物（ささげもの）とし、絶えず主の限りなき御あわれみをたたえ、死するまで主を一心にほめ、至善なる天主、至愛の御父として讃美し奉らん。

罪を避くる決心をなさん

　主はすでにわが罪を赦し給いたれば、われなお深く罪を忌み再びこれを犯さじと決心す。願わくはわがこの望みを固くし、罪とその機会とを避け、よき行いをもて御恵みに報いんとするわが決心を保たしめ給え。われもし主の代理者の教えられし手段に従い、聖寵の助けによりておのれに勝ち、身を献げ、霊魂の敵に勝つを得ば、ついに天国において主と共に栄えを得、終りなき福楽をこうむるにいたるならんと頼もしく思い奉る。

　[司祭の命じた罪の償いを速かに果し、改心の実を証するために、罪の原因を探りこれを除く手段を考え、ことにしばしば犯した罪に再び陥る機会を除こうと決心する。]

　聖母の汚れ無き御心よ、日本のために祈り給え！

　天主様の祝福が豊かにありますように！

　トマス小野田圭志神父（聖ピオ十世会司祭）

【追記】
　来る主日（11月20日）は、午前10時半東京の曙町児童会館で聖伝のミサがあります。

　また同じ主日の午後2時半からは同じ場所で、恒例の霊的講話（公教要理）があります。今回のテーマは「十字架の聖ヨハネによる内的生活と観想」とし、十字架の聖ヨハネと聖トマス・アクィナスによる天主との一致、信仰と観想、霊魂の暗闇、偽りの神秘主義などにも触れたいと思っています。

　また同じ場所で午後４時半から、主日の第二晩課をラテン語のグレゴリオ聖歌でお捧げしたいと思います。

　午前中の聖伝のミサには事情によって与れないけれども・・・という方でもどうぞ。

　今回、実家に帰省しておりました。捜し物をしたりあれをしたりこれをしたりというと、時間はあっという間に経ってしまいました。それでも一昨日は、私も母と一緒に普通のインフルエンザの予防接種を受けてきました。あとは手をよく洗い、うがいをよくして、天主と天主の御母聖マリアさまにお祈りをします。

　私がこうして何の心配もなく活動できるのも、天主さまのおかげ、陰ながら援助・応援してくれる父母のおかげと感じております。場違いかもしれませんが、心から感謝の意を表明したいと思います。

　トマス小野田圭志神父（聖ピオ十世会司祭）