マニラのeそよ風

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第268号 2005/02/05 日本26聖殉教者の祝日

26聖人


「見物の方々、それがしがいまわの言葉を心して聞かれよ! これがしはこれ国家に背く大逆人にもあらず、方々と等しく忠良なる日本(やまと)の民の一人なり。さるを今ここにはり付けられたるは、ひとえに世の救い主、イエズス・キリストの御教えを述べ伝えたるによるもの。されどもこの苦しみは大いなる天主(デウス)の聖寵(ガラサ)にして我が無上の喜びとするところなり。見物の衆よ、それがしの言葉をゆめゆめ疑い給うなかれ。古語にもいわずや、人の死なんとする、その言やよし、と。それがしは今し絶えなんとする玉の緒にかけて断言せん。このまことの天主の御教えを他にして、永久の命にいる道はまたとござりませぬぞ!・・・」
(1597年2月5日、十字架の上より、聖パウロ三木)

アヴェ・マリア!

 兄弟姉妹の皆様、
 先月の聖伝のミサで兄弟姉妹の皆様とお会いでき、また新しい方が御ミサに来られ、なんと大きな喜びだったでしょうか! そして私は、多くの良き方々に恵まれたと天主に感謝しきれないと感じています。聖伝のミサにこられる、そして陰に日向に援助してくださる方々、本当に感謝! 感謝します。 ありがたい!とは本当にこのことです。

 そして、私達日本人は、なんと多くのよい先祖に恵まれたことでしょうか!天主に感謝!

 聖フランシスコ・ザベリオが我が祖国日本に私たちの主イエズス・キリストの御教えを伝えてすでに50年の後には、キリシタンは大友、有馬、大村、高山、小西、内藤、黒田らの有力な諸大名を始め、百万の信徒を有していました。そして1597年の今日、長崎の立山において私達の先祖はカトリック信仰の初穂を天主に捧げたのでした。26名の信仰の英雄たち!

 光栄ある聖なる殉教者たちの子孫と生まれる栄誉を受けた私達は、祖先の偉功を誇りとし、私達も栄えある祖先に習って、一、聖、公、使徒継承の不変不壊の信仰を築き上げましょう!

 さて先日、アジア管区長のクチュール神父様に連絡をする機会がありました。クチュール神父様は、昨年末の津波の犠牲者の方々をスリランカとインドで援助しています。神父様によると、この悲劇は多くの人の心の秘密をあらわにしました。多くの方々の寛大な心です。しかし残念ながら、犠牲者の家族の方々も、人道的援助組織も、NGOも国家組織も、被害にあった国々も、この機会に大きな利益を得ようとしているので、私達は非常に賢明に義捐金を使わなければならない、とのことです。

 例えばスリランカのネガンボでは、私達の修道院のすぐ近くに116の家族が、赤十字から借りたテントをサッカー場にたてて避難しているそうです。しかし彼らにはテントの他には全く何もないそうです。寝袋もシーツも食べ物もありません。しかし幸いなことに彼らはカトリック信者で司祭が彼らを励ましています。クチュール神父様はこの神父様を知るようになり、常識のある司祭であることがわかり彼と協力してこの犠牲者の家庭を援助していこうと考えています。スリランカ政府が(おそらく半年後に)何かをするのを待っていることができないからです。さらにネガンボの人口の3割がカトリック信者で、スリランカのローマと言われているそうですが、スリランカの南部や西部ほど被害を受けていないので援助は一番の最後にリストされているからです。

 クチュール神父様の依頼によって、津波の犠牲者の方々のために、2月の聖伝のミサの時には、献金袋を2度回したいと思います。2回目の献金袋はすべて義捐金としてクチュール神父にお渡しするつもりです。この趣旨をよくご理解されて、お気持ちだけでもご援助を願えれば嬉しく思います。

 2月には、アジア管区長のクチュール神父様の元で、シンガポールの修道院長として働いておられるダヴィデ・パリャラーニ神父様(Rev. Fr. Davide Pagliarani)を日本にお連れしたいと考えています。神父様は、イタリアのリミニ出身で1970年生まれ1996年に司祭に叙階され、その後アジアに来られるまではイタリア管区で働いておられました。今回、神父様にとっては初めての来日ですが、大阪と東京では聖伝のミサの後で講話会をしてくださるようにお願いしてあります。

 兄弟姉妹の皆様、それでは良き日本26聖殉教者の祝日をお過ごしください。


天主の富と上智と知識の深さよ、
その裁きははかれず、その道は極めがたい!


トマス小野田圭志神父 (聖ピオ十世会司祭)