マニラのeそよ風

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第232号 2004/07/06

聖ピオ十世会、カリフォルニア
聖ピオ十世会 米国、カリフォルニア

アヴェ・マリア!

 兄弟姉妹の皆様、今回は聖ピオ十世会総長の友人と恩人の皆様への手紙 第66号を日本語でお 送りします。

 では、天主様の祝福が豊かにありますように!


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聖ピオ十世会総長の
友人と恩人の皆様への手紙 第66号
-- 2004年 イエズスの聖心の祝日において --

 時折私の使徒職の喜びを皆さんにお伝えすることが出来るのは、何と嬉しいことでしょうか! 実に、日ごと私たちが感嘆することの出来るお恵みの奇跡が何と多いことでしょうか。全能の天主に感謝することをおぼえましょう。天主が聖母の汚れ無き御心の御取り次ぎによって私たちに与えて下さる善きことに、感謝でいっぱいとなりましょう。聖ピオ十世会の毎日の生活は、敢えて言うなら、本当に奇跡の連続です。これは私たちの短い歴史において天主の介入、聖母マリアと天使たち、私たちを取り囲み私たちに善を望む天の友らという、私たちが見ることの出来ない、また残念なことに私たちの近くにいて、非常に効果的に私たちを助けようとしているにもかかわらず私たちがあまり考えることのないこの霊的世界の介入を明らかにしています。これらの存在は現実のもので、私たちの歴史の一部をなしています。そして時には彼らの目に見えるかのような助けは、諸聖人の通功という素晴らしい現実を私たちに強いて受け入れさせてくれます。私たちが自分たちの力と私たちの努力の結果とを比較すると、私たちの力だけによるのではなかったと言わざるを得なくなります。ほぼ全世界にわたって、例えばフィリピン、インド、南アメリカ、北アメリカ、ヨーロッパ、東欧における、多くの新しい建築、チャペルの数々は、天主の聖寵のものすごい生命力のしるしでもあります。経験によって私たちは、比較的最近私たちが活動するようになって地域において、私たちが直面している当地の聖職者たちからのかなり強力な反対さえも、善のために役立つと知っています。

「全ては天主を愛する人々の善になる。」

 私は皆さんと心配と心痛を分かち合いたいと思います。

 まず、ウクライナです。最近数ヶ月、聖ヨザファト兄弟会を通して私たちが支援している司祭たちは、自分らの司教であるフサール枢機卿の怒り狂う攻撃を受けました。フサール枢機卿はマスメディアを通して、(聖ヨザファト兄弟会の)ヴァシル神父様とその司祭たちに対して破門を投げつけました。何故なら、ヴァシル神父様らは、離教的な運動に関わったからというものです・・・。

 この破門刑は東方典礼のカトリック教会法において最も重い刑罰ですが、如何なる警告も無しに発表されました。ヴァシル神父様がこれについてローマに上告すると、枢機卿はようやくカトリック教会法の規定に従おうとし出しました。全ては、既に出されてしまった破門を正当化するために、カトリック教会法上全くの空虚を埋め合わせようとするものです。Nihil novi sub sole. (太陽の下に新しいことは何もない。聖ピオ十世会も同じような事を何度も経験した。)

 勿論、教会当局はヴァシル神父様の使っている教会を取り戻そうとしています。しかもヴァシル神父様が建設した教会まで。これは大変厳しい打撃であり、この新しい信仰の戦いにおいて、皆さんの祈りが彼らにとって大きな助けとなることでしょう。今までは彼らは無神論の共産主義という恐るべき敵に向かって信仰を擁護しなければなりませんでしたが、今度は自分の牧者が彼らを攻撃しているのです。

 今のところ、司祭たちはよく持ちこたえていますし、信徒たちは司祭らを助けています。しかし攻撃があるたびに傷つくのは霊魂たちで、嫌気がさすようになり、信仰をまったく捨ててしまう霊魂もでてきてしまいます。・・・これはよく知られた話しです。

 ローマの方はどうでしょうか?

 まずファチマから始めましょう。昨年、諸宗教のための新しい建物を建設することが発表されました。

 ファチマの公式発表文章には、この計画の性質について沈黙を保っているとしても、行動においてはとても雄弁に語っています。5月5日、ヒンズー教徒のグループが、公式の許可を持って聖母マリアのご出現の場所を侵略しました。カトリック信者たちにとって極めて大切なこの聖地において、彼らは偶像崇拝にふけったのです。

 「それは、ファチマの聖地の歴史において前例を見ない特異な瞬間です。ヒンズー司祭(シャ・トゥリ)は、祭壇でシャニティ・パ(平和のための祈り)を唱えます。ヒンズー教徒らが聖所のバルストラードにサンダルを脱いで近づき、その間ヒンズー司祭は聖所の祭壇で祈りを唱えるのです。司教と聖所の責任司祭は、それから、ヒンズーの祈りに使う美しい肩掛けを着せられました。」

 キリスト教に対する何という腹立たしい挑戦でしょうか!

 そんな時に私たちは同意の話しが出来るでしょうか!

 ローマ当局がこのような忌まわしいことをやらせるままにさせ、或いはこれよりももっと酷いことにはそれを支援している限り、ローマ当局は聖伝との一致からかけ離れるばかりです。私たちは、天主の御母にして私たちの天の母にたいしてなされたこのような侮辱に対して妥協することが出来ません。 私たちは、信仰のみならず、常識のかけらすらも失われてしまったのではないか、と自問自答せざるを得ません。天主を馬鹿にすることは出来ないのです(Deus non irridetur.)。

 このような忌まわしい行為については、償いをしなければなりません。私たちは来年、皆様を招待して、ファチマで荘厳な抗議をすることを、非常に真剣に考えています。

 ローマにもっと直接に関わることとしては、ローマは私たちが「属人区の裁治権」の提案を受け入れるようにと主張して止みません。問題は裁治権の形式にあるのではありません。私たちはその具体的な要素やそのような「裁治権の形式」が実際問題において何を意味するかと言うことは分かりませんが、属人区というものは、原理において私たちにとって受け入れることの出来るものです。問題はまだそしていつも教義のレベルにあるのです。カトリック信者たちの善にとって破滅的な曖昧な公文書と改革にキリスト教精神が宿っているか否かという、そしてこれが問題なのですが、レベルに問題があるのです。私たちはますますいろいろな司教たちにおいて同感を得ています。しかもローマにおいてもです。私たちが前進し、カトリック世界において聖伝は進歩をしているように思えます。しかしこれだけでは十分ではありません。私たちは最近公式に、ローマからの具体的な第一歩として破門の勅令の撤回を求めました。これは情勢を変えるでしょうし、私たちは状況がどのように進展するかをよりよく見ることが出来るでしょう。一つ確かなことがあります。それは、私たちは聖ペトロ会とエクレジア・デイのほとんどのグループが置かれた状況を望まない、ということです。彼らは縛られています。彼らにはただ聖伝のミサをすることがギリギリのところで許されているだけです。彼らはほとんどの場合耐えられない程のひどい状態におかれています。カストゥリヨン・ホヨス枢機卿が、聖伝支持者が2級市民ではない待遇を受けることが出来るようにと求めた(*註)のは正しいことでした。しかし、ローマでこそ実際の状況をまず変えるべきではないでしょうか?

 恩人の皆様、何と多くの祈りの意向があることでしょうか。皆様の非常に貴重で天主に心地よい犠牲、私たちも使徒職において私たちを力強く助ける皆様の全ての犠牲にたいする私たちの深い感謝の念をお受け取り下さい。願わくは天主が皆様にそれを報いて下さいますように、願わくはイエズスの聖心が皆様を祝福し、聖母マリア様が皆様とそのご家族とを保護し給いますように!

+ベルナール・フレー
聖ピオ十世会総長


(*註)「ラテン・ミサ」誌(Latin Mass Magazine)でのインタビューに答えて
フランス語原文や英語の訳は次をご覧下さい。
外国語サイト リンク http://www.dici.org/actualite_read.php?id=777&loc=FR
外国語サイト リンク http://www.dici.org/fraternite_read.php?id=000027&loc=FR
外国語サイト リンク http://www.dici.org/fraternite_read.php?id=000012&loc=US


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天主様の祝福が豊かにありますように!

トマス小野田圭志 (聖ピオ十世会司祭)