マニラのeそよ風

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第142号 2003/05/10 司教証聖者、聖アントニーノ

フローレンスの聖アントニノ
フローレンスの聖アントニノ(1389-1459)、ドミニコ教会(サン・マルコ)

 聖アントニーノは、1389年カパドキア生まれました。十六才のときドミニコ会に入会し厳しい生活をおくりました。教皇エウジェニオ四世によって、そのすぐれた学徳をみとめられ、フィレンツェの司教となり、1459年5月2日帰天しました。1523年アドリアノ六世教皇により列聖されました。

アヴェ・マリア!

兄弟の皆様、
 今回も「童貞聖マリアに対するまことの信心」の続きをお読み下さい。

トマス小野田圭志 (聖ピオ十世会司祭)


童貞聖マリアに対するまことの信心


14. 私は全教会とともに告白する。マリアはいと高きもののみ手から出た、純然たる被造物にすぎなく、天主の無限の御稜威に比べたら、一個の原子よりも小さく、いや、むしろ、無に等しい。天主だけが「有りて有る者」(出エジプト記3・14)であり、従って、この偉大なる主だけが永遠に、だれにも依存しない完全自立、自己充足であり、天主はご自分の意思を達成しご自分の栄光をあらわすために、いとも聖なる童貞女を、絶対に必要としなかったし、今でも必要としない。全てをするためには、天主はただ“望む”だけで良い。


15. だが私はこう言おう。物事をあるがままに考えると、天主がご自分のお造りになったマリアを通して、ご自分のもっとも偉大なみわざを始め、完成しようと望まれたからには、このやりかたを天主は、永久に変えないだろうと信じなければならない。なぜなら天主は天主であり、ご自分の意思ややりかたを変えたりすることは絶対にありえないからだ(ヘブレオ1・12参照)。


16. 父なる天主がその御ひとり子を世にお与えになったのは、マリアを通してのみであった。四千年もの間、旧約時代の聖なる太祖が憧れの溜息をつき、旧約の預言者・聖者たちがこの宝(である天主の御ひとり子)を天主に願ったが、ただマリアだけが、その力強い祈りとその高い聖徳とによって、天主のみまえに恵みを得て、その功徳を得た。聖アウグスチノが言うように、この世は天主の御子を御父のみ手から、じかにお受けするのにふさわしいものではない故に、御父は、この世がマリアを通して御子を受けるため、マリアに御子をお与えになった。天主の御子は、私たちの救いのために人となられたが、しかし、マリアにおいて、マリアを通してであった。天主なる聖霊は、マリアのご胎の中で、イエズス・キリストを形造られたが、それはあらかじめ天の宮廷の使いたちの一人である一人の天使により、マリアの同意を得てはじめてのことであった。


(第一章 「私たちがいとも聖なる童貞への信心を持つ必要性」、第二節 「天主は、いとも聖なる童貞マリアを通してその偉大なる御業を始め完成しようと望まれた」 より)


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