第125号 2003/04/26 御復活の土曜日
アヴェ・マリア!
兄弟の皆様、 聖トマス・アクイナスは、キリストは5つの理由のために、復活することが必要であったと、こう書いています。 ■ まず第一に、天主の正義を讃えるためでした。
何故なら、天主のために自らを卑しめる人々を高めることが天主の正義に属しているからです。(このことは、ルカに「権力者をその座から降ろし、低い人々を高め」(1:52)とあるとおりです。) ■ 第二に、私たちの信仰を教えるためでした。なぜならイエズス・キリストの御復活によって、キリストが天主であるという私たちの信仰が強められたからです。それは「キリストは[私たちの]弱さのために十字架につけられたが、天主の力によって生きてまします。」(2コリント13:4)とあるとおりで、「キリストが復活しなかったなら、私たちの宣教は虚しく、あなたたちの信仰も虚しい」(1コリント15:14)からです。 ■ 第三に、私たちの希望の徳を高めるためでした。何故なら私たちは、私たちの頭であるキリストが復活されるのをみて、私たちもまた復活するだろうと希望するからです。ですからこそこう言われているのです。「キリストが死者の中からよみがえったと宣教しているのに、あなたたちの中に死者の復活がないと言う人があるのはどうしたわけか。」(1コリント15:12)と言われているのです。 ■ 第四に、信者たちの生活の養成のためでした。これは「御父の光栄によってキリストが死者の中からよみがえったように、私たちもまた新しい命に歩むためである」(ローマ6:4)また「死者からよみがえられたキリストはもう死ぬことがないと私たちは知っている・・・同様にあなたたちも、自分が罪に死んだ者、キリスト・イエズスにおいて天主のために生きる者だ」(ローマ6:9,11)とあるとおりです。 ■ 第五に、私たちの救いを完成させるためでした。私たちが悪から解放されるために、キリストは死を甘受しつつ悪を堅忍したように、私たちを善へと勧めるために復活して栄光を受けたからです。これは、「主は私たちの罪のためにわたされ、私たちを義とするためによみがえられた。」(ローマ4:25)とあるとおりです。 (聖トマス・アクイナス「神学大全」第3部 第53問 第1項 本文より) トマス小野田圭志 (聖ピオ十世会司祭) |