第83号 2003/02/17
聖ピオ十世会・カナダ、トロント(2004)
アヴェ・マリア!
毎回、難しい論文をお送りして申し訳ありません。しかし、これはどうしても必要なことでありましたので、ご理解をお願いします。さて、今回は『聖ピオ10世会の司祭の施す告解及び婚姻の秘跡の有効性について――カトリック教会法の研究――』 の「総まとめ」をお送りします。
天主様の祝福が豊かにありますように!
トマス小野田圭志 (聖ピオ十世会司祭)
聖ピオ10世会の司祭の施す告解及び婚姻の秘跡の有効性について
――カトリック教会法の研究――
ラモン・アングレス神父(聖ピオ十世会司祭)著
トマス小野田圭志(聖ピオ十世会司祭)編・訳
総まとめ
この論文の私たちの意図は、聖ピオ10世会の教会やチャペルにおける悔悛と婚姻の秘跡が有効であることを教会法的に証明することでした。それは、聖ピオ10世会の教会に通う信者たちに良心の平和を与えるためであり、聖ピオ10世会に勝とうとすることだけを求めて非論理的な主張をする人々に論理的に答えるためです。
私たちは、私たちの主張を支持する有り余るほどの教会法上の証拠を提示しました。そして、私たちはこれを次のようにまとめたいと思います。
聖ピオ10世会の悔悛と婚姻とは、通常の錯誤を理由に基づいて有効である。
聖ピオ10世会の悔悛と婚姻とは、死の危険において有効である。
聖ピオ10世会の婚姻は、特別婚姻形式を理由に基づいて有効である。
聖ピオ10世会の婚姻と悔悛とは、信者がそれを求める権利を持つという理由に基づいて有効である。これは信者がたとえ破門されたあるいは聖職停止の処分を受けた司祭に求めたとしても正当な権利の行使である。
聖ピオ10世会の婚姻と悔悛とは、上記の全ての件を含めて、積極的かつ蓋然的疑義の場合に裁治権が補われるという理由に基づいて有効である。
また、たとえ万が一、不条理にも、聖ピオ10世会が離教的なグループだったとしたら、カトリック新教会法典の「秘跡的友好」の教えの理由に基づいて、聖ピオ10世会の悔悛は有効であり、聖ピオ10世会の婚姻はカトリック新教会法典においてカトリック教会を離れた人々に教会法上の婚姻形式を免除しているので、やはり有効である。
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結論として、聖ピオ10世会を否定しようと躍起になっている側には二律背反に落ちる。
もし、聖ピオ10世会は教会の外にあるなら、カトリック新教会法典の844条の2と1117条によって、聖ピオ10世会の婚姻と悔悛とは有効である。
もし、聖ピオ10世会が教会の外にはいないのなら、婚姻と悔悛は、通常の錯誤、積極的かつ蓋然的疑義、信者が秘跡を求める権利、死の危険の故に、教会によって裁治権が補われる。
英語の原文は以下をご覧下さい。
The VALIDITY OF CONFESSIONS & MARRIAGES in the chapels of the SSPX [CHAPTERS 1 - 2]
The VALIDITY OF CONFESSIONS & MARRIAGES in the chapels of the SSPX [CHAPTERS 3 - 6]
The VALIDITY OF CONFESSIONS & MARRIAGES in the chapels of the SSPX [CHAPTERS 6 - 10 / BIBLIOGRAPHY]
(この項、了)