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第56号 2002/10/24 聖ラファエルの祝日

聖ラファエル
聖ラファエル

アヴェ・マリア!

 兄弟の皆様、いつもご声援、励ましのお言葉をありがとうございます。感謝します。55号がこんなにも遅くなってしまって大変失礼致しました。10月は、司祭の黙想会があり、長崎への巡礼があり、東京での荘厳ミサがあり、でインターネットへのアクセスや時間が制限され、こんなにも遅れてしまいました。

 今回は、『クストディ・ディ・クエラ・フェーデ』-フリーメーソンについて レオ13世による回勅(1892年12月8日発布) (つづき)をお送りします。


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『クストディ・ディ・クエラ・フェーデ』

-フリーメーソンについて-
レオ13世による回勅(1892年12月8日発布)


10

 それではフリーメーソンの、天主および教会と祖国の敵としての姿をあなた方に示すことにしましょう。当党派をそのようなものとして認めた上で、理性と良心、それに信仰があなた方の手中に置く全ての武器をもって、自らの身をこの思い上がった敵から守りなさい。そして、誰一人としてその魅惑的な外見によって欺かれたり、その約束によって惹(ひ)きつけられたりすることがないように。また、その甘い誘惑によって導かれたり、あるいはその脅しにおじけづいてはなりません。そして、キリスト教とフリーメーソンとは本質的に和解し得ないものであり、そのため、一方に属すれば他方と縁を切ることになる、という事実をよく心に留めなさい。愛する兄弟達よ、あなた方はカトリックとメーソンとがこれほど徹底的に相容れないものであることをもはや無視することはできません。あなた方は私の先任者らによる公然の警告を受け、そして私はその警告を声を大にして繰り返します。


11

 何かこの上ない不幸により、この種の滅びへと導く結社に名を連ねた者たちは、これとの関係を断ち切る厳密な義務を有します。さもなくば彼らはキリスト教の一致から切り離され、自らの魂を今この時も、また永遠にわたって失うのです。両親、教師、代父母、さらには誰であれ、他人の世話・監督に当たる者は、自らの監督下にある者をこの罪深いセクトに近寄らせず、またすでにこれに入ってしまった場合はそこから引き離す厳格な義務を有します。


12

 これほど重要で、また特に昨今、誘惑に容易に陥ってしまう危険のある事柄において、キリスト者は、始めから自らを警戒しなければなりません。すなわち、一切の機会を避け、最も小さな危険をも恐れ、最大の注意を払わねばなりません。福音書の勧告に従って鳩の純朴さを保ちつつ、蛇の知慮を余すところなく用いなさい。


13

 今日、社会生活のあらゆる階層において、多様な団体・組織がいたるところで生まれのを見るのは、きわめて喜ばしいことです。すなわち労働者団体、互助および社会保障に携わる団体、科学、芸術、文学の促進を図る組織、およびその他これに類したものです。これらの団体が善い道徳と宗教的精神に則っている場合、こうした団体は有用かつ適当なものです。しかるに、フリーメーソンの害毒がここにも浸透し、また今なお浸透し続けているため、宗教的影響を自らのもとから取りのぞこうとする団体はおしなべて疑惑の対象とされるべきです。そのような団体はフリーメーソンによって容易に牛耳られ、多かれ少なかれその支配下に置かれます。こうして、それらの団体・組織はフリーメーソンに援助をほどこすのみならず、当セクトの苗床、かつ養成所となるのです。


14

 女性は、まず賢明で経験の豊富な者の助言を求めることなしに、その素性、目的がよく知られていない博愛団体に加入するべきではありません。大言壮語に長(た)け、派手な仰々しさによってキリスト教的愛徳と対照的な博愛活動は、往々にしてフリーメーソンの活動へのパスポートとなっています。


15

 誰であれ例外なく、フリーメーソンまたはその傘下にある団体・組織に属している疑いのある者たちとの親しい友人関係を避けなければなりません。彼らをその実によって知り、避けなさい。ただ、メーソン党派の特質となっているものを開け広げに唱道する不敬な放蕩者らのみならず、普遍的寛容、全ての宗教に対する尊敬、そして福音の諸原則と革命のそれらとを和解させるあくなき願望という仮面の下に身を隠す者たちとも親しいつきあいを避けねばなりません。これらの者たちはキリストとベリアル、天主の教会と天主なしの国家とをを和解させることを目しているからです。


16

 キリスト信者は皆、不敬虔の毒をdistillし、歯止めなしの欲求ないし官能的な情欲の火をかき立てる書籍、新聞を避けなければなりません。メーソン的精神がその餌食を待ちかまえるグループや読書会も同様に避けねばねばなりません。


17

 さらに、私たちが対峙しているのは、あらゆる領域に浸透しているセクトであるため、ただ防御を固めるだけでは充分ではありません。かえって私たちは勇敢に戦場へと出て行き、これに対峙しなければいけないのです。すなわち、愛する子らよ、あなた方は報道機関を報道機関に、学校を学校に、組織を組織に、学会を学会に、活動を活動に対置させねばなりません。


18

 フリーメーソンは、はや公立学校の管理を手中に収め、私立学校や家庭学校、および熱意のある司教、司祭ならびに男女の修道者によって経営されるその他の教育機関と、キリスト教青少年の教育においてしのぎを削っています。特に信者の両親は、その内実が定かでない学校に子息の教育を委ねてはなりません。フリーメーソンは代々受け継がれてきた公共的慈善活動の財産を横領しました。ですから、私的な救助金という宝庫をもってその空白を埋めなさい。


19

 この善と悪との戦い」」」がすべてに及び、そして善が勝利を収めますように。フリーメーソンは頻繁に会議を開き、教会を攻撃するための新しい手段を練っています。ですからあなた方も、防御の手段と仕方とを前もって定めるためにしばしば会合をもつようにしなさい。メーソンはロッジを増やしますが、あなた方もカトリックのクラブ、教区のグループを増加させ、慈善的団体と祈りのグループを奨励し、天主の聖殿の光輝を維持かつ増大させるように。恐れるべきものが何一つなくなった当のセクトは今日、その(真の)姿を白日の元にさらしています。あなた方イタリアのカトリック信徒も、あなた方の信仰を公然と表明して、自らの信仰を暴君、拷問、死を前にして雄々しく告白した、栄えある先祖の例に倣うべきです。フリーメーソンはまた、教会を虜にして国家の足下にあわれな奴隷として置こうとするでしょうか。それなら、あなた方は教会のために、法の前で、それに当然与えられるべき自由と自立とを求めなければなりません。メーソン党派は(また)、不和の種を聖職者の間にさえ蒔き、抗争を煽り立て、軋轢を醸成し、反抗、反乱、離教を成すようそそのかしてカトリックの一致を引き裂こうとするでしょうか。愛徳と従順の神聖な絆を引き締めることによって、あなた方はその計略を覆し、その努力を無に帰し、その希望を虚しいものとすることができます。初代のキリスト教徒のように一つの心、一つの思いとなりなさい。ペトロの座の周りに集い、あなた方の牧者らと一致して、教会と教皇(職)との至高の利害を守りなさい。それは即、イタリアならびにキリスト教界全体の至高の利害に他なりません。使徒座は常に、イタリア(国民)の栄誉の創出者かつ妬み深いまでの保護者となってきました。ですから、あなた方は真のイタリア国民かつカトリック者、自由かつ無分派、国家のみならずキリストとその目に見える代理者に忠実な者となりなさい。反キリスト教、反教皇のイタリアはまさしく天主のご計画に背反し、それゆえ滅びゆくのが必定でしょう。


20

 愛する子どもたちよ、信仰と国家は今この時、私の口をとおしてあなた方に語りかけています。両者の叫びに耳を傾け、共に立ち上がり、雄々しく主の(ための)戦いを戦いなさい。敵の数と大胆さ、強さとにひるんではなりません。天主は彼らより強いからです。もし天主があなた方の側にあるなら、誰があなた方に敵対できるでしょうか。


21

 天主があなた方と共にあって、より一層豊かな恩寵を施してくださるよう、前にも倍し祈りなさい。キリスト教的諸徳とりわけ困窮者への愛徳の実践をあなた方の祈りに伴わせなさい。洗礼の約束を日々新たにしつつ、天主のあわれみを謙虚に、倦むことなく請い求めなさい。


22

 以上述べてきたことの、また私の父としての愛のしるしとして、私は愛する子らであるあなた方に使徒的祝福を与えます。


1892年12月8日
聖ペトロ大聖堂にて
教皇在位第15年目に

Japanese translation (C) Society of Saint Pius X


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トマス小野田圭志 (聖ピオ十世会司祭)