マニラのeそよ風

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第351号 2006/06/12 証聖者サン・ファコンドの聖ヨハネ

【剃髪式及びスータンの着衣式】
2006年2月2日 聖ピオ十世会フラヴィニーの神学校での剃髪式及びスータンの着衣式
2006年2月2日 聖ピオ十世会フラヴィニーの神学校
フランスでは21名が新しく剃髪を受けた

アヴェ・マリア!

 愛する兄弟姉妹の皆様、お元気ですか。
 兄弟姉妹の皆様の中には、今まで「マニラの eそよ風」は読んでいたけれども、聖伝のミサに与ったことがないけれども興味がある、与ってみたいけれどもどうすればいいか分からない? という兄弟姉妹の皆様がいらっしゃると思います。そこで今回は、兄弟姉妹の皆様のそんなご質問に答えてみたいと思います。


■ 聖伝のミサにようこそ! ■

二千年間もの尊むべき使用試されかつ真実のミサ聖祭、
祭壇で司祭が捧げる明白に犠牲であるミサ聖祭、
天主を中心に据えられる崇敬の為に構成されているミサ聖祭、
完全にカトリック:一・聖・公・使徒継承のミサ聖祭、
トリエント公会議にて聖人教皇(教皇聖ピオ5世)により法定化されたミサ聖祭、
実り豊かで、数知れぬ聖人、殉教者、聖職召命の群れを生み出したミサ聖祭へ、ようこそ! 私たちは心から歓迎します! 


聖伝のミサに与る時の心構えは?

 ミサ聖祭は、個人的な信心業ではなくカトリック教会の公式の礼拝儀式です。ミサ聖祭において最高司祭である私たちの主イエズス・キリストは、ご自身を私たちの罪の償いのいけにえとして聖父に捧げるので、カトリック信者はそれに参与するためにミサ聖祭に参列します。

 ミサ聖祭の崇高な犠牲と私たちの主イエズス・キリストの現存への尊敬のため、また、カトリック信仰と礼拝の統一性をあかしするため、ミサ聖祭に与る姿勢にも次のようなものがあります。

(1) 慎み深い服装

 男性(子供を除く)は、できるだけ正装で、あるいはきちんとした身なり(少なくとも袖のある服と長ズボンの着用)をします。女性は、少なくとも膝が隠れる(椅子に座った時も)スカート、袖があり胸元を隠す服装、頭にはベールを着用して下さい。体の線を見せるようなぴったりとした服装や、体が透けて見える服、袖が無く肩を顕わにする服、膝が隠れないミニスカート、大胆に切り込みの入ったスカート、ズボンやパンタロン、など慎みのないものはご遠慮下さい。

(2) ミサ聖祭の時の姿勢(病弱の人を除く)

基本的な規則は次の通りです。

1. 歌ミサの時には、聖歌隊は聖歌を歌う間起立します。
(歌ミサとは、 グレゴリオ聖歌などを歌って捧げるミサ聖祭のことです。)
 聖歌隊ではなくても、共通の聖歌をうたっている間(キリエ、グロリア、クレド、序唱、サンクトゥス、パテル・ノステルの「セド・リベラ・ノス・ア・マロ」、アニュス・デイなど)には信者は、起立します。ただし司祭が着席すれば、歌をうたっている時でも信者(聖歌隊は除く)は着席できます。司祭が起立する時には起立します。
2. 書簡の朗読の時、説教、奉献文の間は、着席します。
3. 福音の朗読、 クレド、 最後の福音の時、 司祭の入退堂の時には起立します。
4. ミサ典文の間、聖体拝領、最後の祝福を受ける時は、 跪きます。

(3) 御聖体拝領

 御聖体拝領は、御聖体にまことにまします私たちの主イエズス・キリストを受けるのですから、ふさわしい準備が必要です。つまり、成聖の状態にあること、良い意向を持って拝領することです。また、できるかぎり拝領前の3時間(現行の法によれば、厳格には1時間ですが、3時間前までの断食が勧められています)は固形物を取らずに、聖体拝領をして下さい。

 御聖体拝領の時には、跪き、両手を胸の前で合わせ(合掌し)て、舌の上で直接拝領します。


告解はできるの?

 はい。ミサ聖祭の前後に告解が出来ます。罪を痛悔して告解をお望みの方は、司祭に申し出て下さい。或いは「告白場」で既に司祭が待機している場合には、そちらで順番に告解をなさって下さい。

 大阪では、通常、土、日のミサ聖祭の前に、別の小さな個室を告解場として借りてありますから、そこで告解をなさって下さい。司祭がロザリオの祈りを信徒の方々と一緒に唱えているような場合でも、ご遠慮なく司祭に告解を願い出て下さい。

 東京では、会場の都合により、或いは二階で、或いは祭壇のすぐ隣の控え室が「告解場」となります。通常は司祭が待機しております。たとえそうではなく、司祭がロザリオの祈りを信徒の方々と一緒に唱えているような場合でも、ご遠慮なく司祭に告解を願い出て下さい。

 時には痛悔者の数が多くてミサ聖祭の前に終わらない場合には、ミサ聖祭の後になります。皆のための善を優先するために、ミサ聖祭の時間の厳守が告解よりも優先されますので、告解を受けようと思う方はあらかじめ早めにミサの会場にお越し下さい。


いつもは、どんなスケジュールなの?

 東京での主日のミサ聖祭でのいつものスケジュールは次の通りです。

☆午前10時  ロザリオ及び告解

【通常(早朝7時のミサを除いて)、ミサ聖祭の始まる30分前からロザリオの祈りを捧げています。告解はご希望の痛悔者があれば、10時前でもご遠慮なく、司祭に申し出て下さい。】

☆午前10時半 グレゴリオ聖歌による歌ミサ

【福音書が歌われた後で、通常は日本語と英語で司祭の説教があります。ミサ聖祭はだいたい12時15分ごろ終わります。ミサの直後に、日本公教会の良き伝統に従って、信徒会長の先唱で『公教会祈祷文』の中の、ミサの後の祈り、聖体拝領後の祈り、教皇のための祈りなどを皆で唱えます。その後、司祭の先唱で「お告げの祈り」をラテン語で唱えます。これらの祈りは、東京では、玄関からガラス戸を通して畳のあるお部屋(ここが聖堂になっています)にはいるまでの、床板のところにパンフレットが準備されていますので、御必要な方は、入り口付近のパンフレット置き場に待機している係の者にお申し出下さい。】

▲6月18日は、御聖体の祝日(今年は6月15日)の直後の主日なので、ミサ聖祭は御聖体荘厳祭を祝います。そのために、ミサ聖祭の直後に「聖体降福式」が執行される予定です。

☆午後2時半 公教要理に関する霊的講話

☆午後4時半 グレゴリオ聖歌による主日の第二晩課


神父様と話しをしたいのだけれど?

 皆でお祈りが終わった後、個人的にお祈りをなさりたい方はそのままお祈りを続けて下さい。

 ようやくミサ聖祭が終わり、私たちは、天主を礼拝し、天主に祈り、聖体を拝領し、感謝し、お腹はペコペコ、でも聖伝のミサに与って幸福! 同じカトリック信仰を守る兄弟姉妹と「おーい、元気か!」と挨拶して一息つきたい、という方もいらっしゃるでしょう。東京では「聖堂」の畳の部屋を出たところで、いつもそんな笑顔と挨拶が交わされています。司祭もミサ後の感謝の祈りが終わると、そんな兄弟姉妹の皆様に加わりに行きます。

 ですから初めていらして下さった方は、是非是非、司祭に一言「こんにちは!」って声をかけて下さい。一息ついたら、告白をお望みの方のために告解を再開致します。

 初めていらしたからで、もしもお時間があれば、聖伝のミサに与った兄弟姉妹の皆様の方々と近くのファミリーレストランで昼食を取っていって下さい。私たちは常連なので、店長もよく知っており、信徒会長は1割引の優遇カードを持っていますから、一緒に支払えば割安になります。司祭も都合がつく限り、お食事をご一緒します。


祝別してもらいたいものがあるのだけれど?

 祝別を望むものがあれば、祭服準備のテーブルの上に、そのために準備されている「To be blessed」(祝別用)のプラスティックの箱がありますから、そこに入れておいて下さい。司祭の時間がある時に祝別をして、「Blessed」(祝別済み)の箱に入れて置きます。


ベールを忘れてしまったら?

 入り口に2つ、予備の女性用のベールがありますから、お申し出下さい。


トイレは?

 ミサ聖祭の最中に体の調子が良くなくなってしまったなど、必要があれば、ミサの最中でも外に出られて楽にして下さい。聖歌隊の一人はお医者さんなので、緊急の場合にはお知らせ下さい。


「御聖体降福式」って何なの?

 聖体降福式は、祭壇の上に御聖体を顕示して礼拝・賛美する儀式です。

 聖体荘厳祭では、御聖体行列とその最後に聖体降福式が想定されていますが、私たちは今回のミサ聖祭では、御聖体行列のない、聖体降福式のみを行います。


「御聖体降福式」ってどういうことをするの?

 今回のミサ聖祭では、聖体拝領が終了すると、既に聖体顕示台といわれるものに御聖体を入れ、顕示し、ミサ聖祭を進行させます。典礼儀式の規定に従って、「イテ・ミサ・エスト」(行け、ミサは終われり)の代わりに、「ベネディカムス・ドミノ」(主を賛美しよう)が歌われます。会衆はそれに答えて「デオ・グラチアス」(天主に感謝!)と歌います。

 ミサ聖祭最後の祝福を受けると、「最後の福音」は省略されて、司祭は祭服を着替えにいきます。その時に聖歌隊は、パンジェ・リングヮ "Pange Lingua" という聖歌を歌います。

 兄弟姉妹の皆様は御聖体が顕示されていますから、この聖歌パンジェ・リングヮ "Pange Lingua" をうたいながら、跪いて礼拝して下さい。

 司祭は準備が出来たら、御聖体の前に跪き香を捧げます。その時、聖歌隊は、オ・サルタリス・オスチア 外国語サイト リンク "O Salutaris Hostia" を歌います。

 続いて、6月なので、私たちはイエズスの聖心の連祷をラテン語で歌います。

 次に聖母に対する聖歌を歌います。今回は "O Gloriosa" を予定しています。

 続いて(もしもミサ聖祭の前のロザリオの祈りで唱えられていない場合には)聖ヨゼフに対する祈り(日本語)を唱える予定です。

 それから教皇ベネディクト十六世のための祈りをグレゴリオ聖歌で歌います。

 聖歌と祈りが終わり、これから司祭が御聖体による祝福を与えますが、祝福の前に Tantum ergo を歌います。これはパンジェ・リングヮ "Pange Lingua" の時に歌わずに取って置いた、終わりの2節です。

 御聖体による祝福ののちに、公教会祈祷文の220ページにある賛美の祈りを唱えます。

 最後にアドレムス Adoremus という聖歌を歌って終わります。司祭は御聖体を顕示台から取り、御聖体降福式を終了します。

 司祭と侍者はその後行列で退堂します。

 以下に、幾つかの聖歌の日本語訳を掲載します。

【Pange Lingua】

いざ歌えわが舌よ、栄えある御体の奥義と、尊き御母の御子、万民の王の、世のあがないのために流し給える尊き御血の奥義をば。
主は汚れなき童貞より生まれ出でてわれらに与えられ、御教えの種をまきつつこの世をわたり、くすしき御恵みを与えてこれを終り給いぬ。
すなわち最後のばんさんの夜に当りて、主は兄弟らと共に食卓をかこみ、旧約の則にしたがいて過越を食し、このとき、御手ずから御身を十二使徒に分ち給えり。
ひととなり給える御言葉はまことのパンを御肉となし、ブドウ酒はじつに御血と変れり。
五感はこれを測り得ざれども、まことなる心は信仰のみによりて固く信ずるなり。

【O Salutaris Hostia】

ああ救霊のいけにえ、天つ御国の門を開き給う御者よ、われらの敵は戦いをいどむが故に、われらに力と助けを与え給え。
三位一体の天主に、世々に栄えあらんことを。また願わくは終りなき命を、天つふるさとにおいて与え給わんことを。アーメン

【Tantum ergo】

かくも尊き秘蹟をば、われら伏して拝み奉らん。
いにしえの式は過ぎ去りて新しき祭りはなれり。願わくは信仰の、わが五感の足らざるところを補えよかし。御父と御子に、誉れと喜び、
礼拝と御栄え、力と祝福あれ、二位より出で給う聖霊もまた共にたたえられよかし。アーメン。


 兄弟姉妹の皆様、以上で説明が充分であったと期待します。特に私たちは、イエズス・キリストに対してなされる侮辱や冒涜を償うために、これをお捧げ致しましょう。

 「いとも聖なる三位一体、聖父と聖子と聖霊よ、私は御身を深く礼拝し奉る。私は御身に、全世界のすべての聖櫃にましまし給うイエズス・キリストのいとも尊き御体、御血、御霊魂、天主性を御身に捧げ奉る。そは、侮辱、冒涜、無関心によって三位一体が傷つき給う罪を償うためなり。主の至聖なる聖心と聖母の汚れ無き御心の無限の功徳によりて、私は御身に、哀れな罪人たちの回心を乞い求め奉る。」
(ファチマで天使が三人の牧童に教えた祈り)

 聖母の汚れ無き御心よ、我らのために祈り給え!
 聖ヨゼフ、我らのために祈り給え!
 アシジの聖フランシスコ、我らのために祈り給え!
 聖フランシスコ・ザベリオ、我らのために祈り給え!

 トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)