第344号 2006/05/25 私たちの主イエズス・キリストの昇天の祝日
アヴェ・マリア! 愛する兄弟姉妹の皆様、 お元気ですか。5月の聖伝のミサで、兄弟姉妹の皆様とお会いできてとても幸福でした。特に、兄弟姉妹の皆様とゆっくりお話しし、いろいろなアイデアや提案を聞き、本当に嬉しく天主と聖母マリア様にに感謝で一杯です。 さて、残念なことに、私たちの主イエズス・キリストを冒涜するウソと讒言で一杯の映画『ダ・ヴィンチ・コード』が日本で上映されてしまいました。この種の映画は日本では以前に作られ、その当時は特に名古屋教区を中心に抗議があったそうです。名古屋教区では、七崎神父様という主任司祭がお亡くなりになるまで公然と聖伝のミサを捧げる小教区が存在していたことは、お恵みを戴いたと言うことなのだと思います。 成田空港の小さな本屋に立ち寄ったところ、ダ・ヴィンチ・コード系のいろいろな種類のトンデモ本がたくさん陳列されていました。便乗商法でしょうが、さすがは踏み絵を250年間踏まされていた国だけあって、こんな本がよく売れているようで、悲しく思いました。 韓国では、今は選挙もあってか、或いは人口の20%以上がキリスト者であるためか『ダ・ヴィンチ・コード』はいまいち、という感じです。或るカトリック司祭は、ダ・ヴィンチ・コードに反論する本を出版されたそうです。 聖伝のミサに来られたイタリアの方によると、イタリアでは映画館の前で抗議した人々が『ダ・ヴィンチ・コード』の本を2冊焼いたそうです。この映画がカトリック教会を侮辱するものであったからこれくらいですんだものの、これがイスラム教を侮辱するようなものだったら、おそらく上映決行したヨーロッパ中の映画館はすべて焼かれて灰になっていたかもしれませんね、という話しをしました。 私たちは何をすべきなのでしょうか? 日本人の多くの方はこの映画を事実だ考えているようです。何故なら、ダ・ヴィンチ・コードの著者が巻頭で「芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述はすべて事実に基づいている」と断言しているからです。これに類する、ダ・ヴィンチ・コードのウソを事実とする本が、日本では書店で大量に販売されているからです。 カトリック教会は真理を述べなければなりません。カトリック教会は、その信仰と愛の対象であるイエズス・キリストの名誉のために声を挙げなければなりません。イエズス・キリストは、私たちを愛するあまり十字架の死をも厭われなかった私たちの贖い主だからです。私たちの愛する主を、人々があれほど冒涜して、私たちは平気ではいられないからです。 私たちの主イエズス・キリストは、私たちがイエズスを天主であると信じ愛することによって、聖父が私たちを愛し給うと言っています。 「父おんみずからあなたたちを愛しておいでになる。あなたたちは私を愛し、私が天主から出たことを信じたからである。私は、父から出て世に来たが、今や、世を去って父のもとにいく。」(ヨハネ一六章 復活後第五主日の福音) また「人々の前で、私の味方だと宣言する人を、私もまた、天にいます私の父のみ前で、その人の味方だと宣言しよう。人々の前で私をいなむ者を、私もまた、天にいます私の父のみ前でいなもう。」(マテオ十章)とも言われます。 「すべてよい木はよい実を結び、悪い木は悪い実を結ぶ。よい木は悪い実をつけないし、悪い木はよい実をつけることができない。よい実をつけない木は、みな切って火に投げ入れられる。だからあなたたちは、実によってその人を知ることができよう。私にむかって、主よ、主よ、という人がみな天国にはいるのではない、天にまします父のみ旨を果した人だけがはいる。」(マテオ七章) さてローマの枢機卿、司教様たちは私たちカトリック信者に対して、この冒涜に対して何らかの行動を取るように、と要請しておられました。私の知る限り、アリンゼ枢機卿を始め、プパール枢機卿、エレンス枢機卿、ルイニ枢機卿、また教理聖省秘書のアマト司教がそうでした。またアメリカでは多くの枢機卿、司教らが反対の声を挙げていました。 ローマのこの要請に応えて、日本における聖ピオ十世会の私たちも行動を起こすことにしました。アジア管区長のクチュール神父様もこれを祝福して下さいました。また「あなたはリップサービスでなく、愛のためにご自分の立場をすべて捨てる覚悟がありますか?」と励まして下さる方もあり、私たちの愛するイエズス・キリストのために愛に燃えたたせてくれたのです。 といっても、兄弟姉妹の皆様をつれて公に行動するにはそれなりの準備や届け出などが必要です。そこで、5月20日の主日には、私たちは霊的に行動を起こしました。ミサ聖祭の前のロザリオの祈り、ミサ聖祭、そして晩課は、冒涜の罪の償いのために捧げられました。晩課が終わってからは、私は兄弟姉妹の皆様を代表して、もう一人の信者の方と、有楽町に行き、有楽町マリオンの映画館の前の交差点で、冒涜の償いのため、この映画を観る日本の兄弟姉妹の皆様のために、夕方の6時半から7時までロザリオの祈りを5連、そしてサルベ・レジナを歌いました。 ローマの要請に従って、これからも ブログや「マニラの eそよ風」などで、特にこの映画で提起されたウソ、特に聖書の起源、イエズス・キリスト関する事実、教会の歴史、キリスト教的な女性の概念などにたいして正しい情報を提供していきたいと思っています。 ところで、兄弟姉妹の皆様にご心配をおかけしている耳ですが、2年前程から治療を受けており、疲労が重なると悪化するようです。最近は、クリスマスも復活祭も問題なく過ごすことができ、天主に感謝! うれしく思っていたのですが、5月の第一主日はマニラの教会を私一人に任せられ張り切って、二回のミサ聖祭、レジオ・マリエの四つのプレジディアの講話、聖母の騎士のミーティングなどをこなしていたのですが、耳が悪化してしまい日本にいた時にはあまりよく聞こえない状態になっておりました。兄弟姉妹の皆様には、ご不便だったと思います。 韓国で昨日、一昨日と治療を受け、明日も行きます。少しは良くなりましたが、これもお恵みと思っています。これによってもっと良心の声をよく聞くことができる恵みを求めています。
良き聖母聖月をお過ごし下さい。
聖母の汚れ無き御心よ、我らのために祈り給え! トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭) |