マニラのeそよ風

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第341号 2006/05/05 証聖者教皇聖ピオ5世

教皇聖ピオ5世

アヴェ・マリア!

 愛する兄弟姉妹の皆様、
 お元気でいらっしゃることと存じます。御復活祭の後に、私はフィリピンに戻りました。マニラ修道院の担当の地域(ルソン島、ミンダナオ島)では、聖イグナチオの霊操による黙想会が開かれました。ミンダナオのジェネラル・サントスでは4月17日から22日まで20名の女性が参加し、マニラでは4月24にちから29日まで12名の女性が霊操をしました。

 私もマニラでの霊操を修道院長のソリマン神父様と共に指導しました。マニラ郊外の黙想の家を借り、とても良い熱心な霊操が出来ました。天主に感謝!

 霊操の際、食事中の読書として "Dressing with Dignity" (尊厳をもって服を着る)の朗読がありました。これは今は四児の母で主婦のコリーン・ハモンド(Colleen Hammond)という女性が書いた本です。彼女自身以前はミス・ミシガン・ティーン、女優、モデル、ケーブル・テレビのニュース解説者でしたが、最初の子供が生まれた時に、在宅の母親になるため全てのキャリアを棄てた人でした。第五章では、彼女は、女性として、女性らしくて何故いけないのか?と問います。

 (要約) 「私たちの女性らしさは天主から指定されたことだ。天主が私たちをそのように創られたのだ。私たちは男として創造されたのではない。私たちは女性であるように創造された。そして私たちは強い女性でなければならない。女性が真に女性らしくあるとき、女性は、天主が女性に与えられた力強さを持つことになる。真正の天主からの内的な女性らしさは、真正の男性らしさに訴える。本物の男性は、本物の女性を保護し尊敬し擁護したいと望む。」

 第三章ではファッションの頽廃の歴史を描き、第四章ではファッションの頽廃が偶然ではなく、計画されたものであることを指摘します。

 【このことについては、この本とは直接関係ありませんが、
外国語サイト リンク Good Ideas Fit with Good Customs by Marian Horvat にある三つの写真、それぞれ(1)1972年4月にイタリアでの離婚賛成のデモをする女性、(2)2002年にアメリカのボストンで、不良司祭に対して正しい制裁を取るように教会当局に要求している女性、(3)最近のプロライフ運動をしている女性、を見ると衝撃的です。】

 そういうわけで、私はこの Colleen Hammond 著 "Dressing with Dignity" を兄弟姉妹の皆様に推薦致します。この本は、TAN Books から入手できます。


 霊的読書の推薦として、復活節と五月の聖母聖月にちなんだ黙想の本を二冊挙げたいと思います。

 一つは 日本語サイト リンク ガブリエル神父様著 『祈りと対神徳』 聖母文庫 です。

 特に前の版ではこの書の(1)「生ける水」から(22)「聖務日課」までは復活祭直後の配列となっていました。

 ガブリエル神父様はこう書いています。「渇いている人は誰でも、私のところにきて飲みなさい!」イエズスの言う「渇き」とは、真理と正義への渇き、平和と真の幸福への渇き、天主に対する渇き、天主との親しい関係への渇きだと言います。そして天主の御働きにより、私たちはより深く、より内密で、より観想的となった念祷の生ける水を、イエズスから賜として受ける、のです。

 しかしポイントはここです。天主は、全ての人を呼び、制限無しに招いておられるけれど、私たちは受ける権利があるもののようにではなく、謙遜に、天主の御旨に全て委ねながらこいねがわなければならないのです。私たちに受ける「権利」あると思うことは、天主の取り決めに干渉することであり、傲慢の罪です。だから、私たちはこの賜に相応しいと見なされるべく、自分を準備しなければなりません。では、どうやって準備を? 一方で、抑制、克己、離脱をしつつ、他方では祈りの生活へ熱心に精進しなければなりません。神との親しさ(2)『祈りと対神徳』では、この「祈りの生活」について語られます。

 特に兄弟姉妹の皆様には(20)「ミサ聖祭」の項をよく読んでいただきたいと思います。ガブリエル神父様は、聖伝に適って、ミサ聖祭を「祭壇上に十字架のいけにえを再現し、永続させる」ものであると言います。「祭壇上で行われている崇高な行為に、私たちをもっとも良く与らせてくれるものが、ミサ聖祭のもっとも良い与り方である」から、「例えばある人は・・・ミサの本質そのものをもっとよく味わい、ますますミサの中に深くはいるために、ミサ典書を閉じる・・・種々の儀式や祈りにはっきりした注意を向けるよりも、最高司祭の行為、奉献、犠牲に内的に一致する・・・。」

 そして本当の意味で「ミサ聖祭への参加」は、「私たちも天主の御旨に反する一切の意志を放棄して、義務の完全な崇高、天主が私たちに対して許される全てのことを潔く受諾することによって、万事に天主の御旨に従おうと努める」こと、そうすることにより「天主に自分をいけにえとして捧げること」であると言います。まさに聖伝のミサについて語っていますね。

 もう一冊はやはり 日本語サイト リンク ガブリエル神父様著 『聖マリアと聖ヨセフ』 聖母文庫です。

 特に五月の聖母聖月の間にこの本をお薦めします。聖母マリア様は歴史上の実在の人間で、想像の産物もではありません。本当の天主の御母なのです。だから、私たちは聖母マリア様についてよく知らなければなりません。

 では、良い読書と黙想をどうぞ!


 最後に一言。最近ルフェーブル大司教様の伝記の翻訳を熱心にするようになりました。昨年大司教様の生誕百周年でしたが、とりわけ何も出来ず、年末にいろいろな良きアドバイスを受けて、無料ブログを使って、出来たところだけを掲示版式にはり付けることにしました。

日本語サイト リンク http://blog.goo.ne.jp/thomasonoda

 その後、人気ブログ・ランキングにも登録した方が、検索にもかかりやすくなるから多くの人にも読んでもらえる、ということで半信半疑で登録したところ、兄弟姉妹の皆様の暖かい友情と応援とで、多くのクリック投票を戴き、ラングがぐんぐん上昇することになりました。

 ルフェーブル大司教様の伝記を続きを読みたいという、生の声の願いや希望を聞き、またクリック投票でも見せて下さったその望みに励まされて、伝記の翻訳に励むようになったわけです。おかげで伝記の第三章も半分以上すすみました。実は一時、すっかりこれにはまってしまって、本業の「マニラの eそよ風」よりも伝記の翻訳に熱中してしまったり、黙想会の途中でも黙想の家を抜け出してインターネット接続を探して更新したり、でした。

 挨拶の言葉も何もない、自分の個人的なメモ書きのような、翻訳やニュースなどでもこうして関心を示して下さってご覧になって下さる兄弟姉妹の皆様に心から感謝です。これらの励ましに促されて、これからも頑張っていこうと思っています。Credidimus Caritati の方は、ルフェーブル大司教様の伝記を中心に、メモやニュースやふと思ったことなどを書いて、それを貼り付けてしまうかもしれませんがご容赦下さい。この「マニラの eそよ風」は、聖ピオ十世会の会報として、出来る限り兄弟姉妹の皆様にわかりやすく、お役に立てるように、ますます育てていきたいと思っております。

 兄弟姉妹の皆様の応援に本当に感謝します。これからもよろしくお願いします。


 良き聖母聖月をお過ごし下さい。
 天主様の祝福が豊かにありますように!

 聖母の汚れ無き御心よ、我らのために祈り給え!
 聖ヨゼフ、我らのために祈り給え!
 聖フランシスコ・ザベリオ、我らのために祈り給え!

 トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)


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聖伝のミサに関する大勅書
「クォー・プリームム」
(聖ピオ5世) 1570年7月14日

 「聖なる従順の名において、他の全てのやり方、及び他のミサ典礼書の挙式法が、例え古く、現在に至るまで習慣化していたとしても、それらを今後完全に除き、全面的に廃止する事によって、今、余によって伝えられるこのミサ典礼書による挙式法、やり方、そして法規に則ってミサ聖祭を歌い、又、読誦し、ミサ聖祭の挙行において、このミサ典礼書に掲載されているもの以外の他の儀式、又は祈りを敢えて追加、又は唱える事の無いようにと厳しく命じ、規定する。

 更に、如何なる教会においても歌ミサ聖祭、或いは読誦ミサ聖祭において、如何なる良心の呵責無しに、或いは他の罰、宣言そして非難を全く課される事無く、今後このミサ典礼書それ自体に、全く従うように、そして、それを自由に合法的に使用する事が可能であり適法であるように、使徒継承の権威を以って、しかも永久のこの〔文面〕を以って、余は承認し認可する。

 又、高位聖職者、管理職者、教会参事会員、及び他の全ての如何なる呼称で呼ばれる、在俗又は如何なる修道会員の司祭は、余によって命ぜられたものより他のやり方でミサ聖祭を捧げる事が無いように。又、何によってであろうとも(彼等が)このミサ典礼書を変更すべく強いられ、強制される事無く、又この手紙が決していつの時代でも変更されることの無く、却って〔この手紙が〕常に堅固、且つその適応範囲において有効であるように、同じく余は規定し宣言する。・・・

 故に、絶対に誰一人として、余のこの許可、規定、命令、勅令、決定、認可、許可、宣言、意志、政令及び禁止のページに背反し、或いはそれに大胆にも背く事のないように。もしも、誰かがそれを企てようと敢えてするとしたら、全能の天主〔の憤慨〕及び使徒聖ペトロとパウロの憤激をかうという事を覚えよ。」

日本語サイト リンク FSSPX Japan: 「教書Quo Primum Temporeに就いて」
日本語サイト リンク マニラの eそよ風 第134号


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