マニラのeそよ風

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第364号 2006/11/06

アヴェ・マリア!

 愛する兄弟姉妹の皆様、お元気ですか?

 十月のロザリオの聖月も終わり、死者の月となりました。教皇様のための霊的花束を兄弟姉妹の皆様からたくさん戴きました。ご提出がまだの方は、是非お早めにお知らせ下さい。最近ニュースで教皇様が聖伝のミサを解放するらしいと言う噂を聞いています。一部反対する司教様たちがおられるそうですが、もし本当にこれが実現すれば天主に感謝! また兄弟姉妹の皆様のお祈りの成果だと思います。

 十一月の聖伝のミサは大阪でも十二日に主日のミサがあります。

 東京では十九日の主日です。また東京では十八日の土曜日の五時半からも聖伝のミサを捧げる予定でおります。十九日の主日の午後の二時半からの「霊的講話」の時間には、今月は趣向を少し変えて待降節のキリアーレ(キリエやアニュス・デイなどの聖歌)の練習をする予定です。兄弟姉妹の皆様のお越しをお待ちしております。

 今回は、少し間があいてしまいましたが、『見よ、彼らがどれ程愛し合っているかを』の続きを黙想致しましょう。

 天主様の祝福が兄弟姉妹の皆様に豊かにありますように!
 聖母の汚れ無き御心よ、我らのために祈り給え!

 トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)


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カトリック家族とその敵について

----- これから婚姻の秘蹟によって
結ばれようとする兄弟姉妹に -----

(32)『見よ、彼らがどれ程愛し合っているかを』:

(I) 夫婦の愛の感情(その8) 結論


 以上見てきたものが、キリスト教家庭の愛の中に入る「感情」だ。

1. 相互の深い共感
2. 常に新たに互いを選ぶ感情
3. 深い優しさの感情
4. 一方がなければ他方が生きていけないかのような印象
5. 配偶者が自分にとってこの世で唯一の
    存在であるという印象がますます強烈になる
6. 相互の高い評価と感嘆の感情
7. 相互に対する大きな尊敬と心遣いの感情
8. 相互の絶対的信頼
9. 相互の深い感謝の気持ち
10. 深い相互理解の印象
11. 常に愛し始めるという印象
12. 大いなる愛の家庭は大いなる喜びの家庭

 これらを見るだけで、このような愛の複雑さと豊かさを見て取ることが出来るだろう。

 キリスト教の夫婦において、これらの感情が同時にまた完全に実現するという事実は、「聖寵は自然を破壊せず、かえって完成させる」ということを証明している。

 キリスト教家庭という扉を開いてその中に入り、キリストによって把握されそして変容されるがままにさせるなら、キリストは愛の感情の最高のものをそのままの大事に残し、問題のあるような不安や逸脱しているものを清めて下さる。そしてキリストは彼らに美と穏やかさと繊細さと深さと力とをいや増して下さる。これらはイエズス・キリストの聖寵の現存と全能の効果であり印であるからだ。

 全てのこれらの感情は、時がたつに従ってますます強くなるのが普通であるから、キリスト教夫婦の人生のそれぞれの家庭において「私たちはまだ愛し合っている」というのみならず「私たちはますます深く強く愛し合っている」と言うようになるのが理解できる。

 愛の全ての感情はますます進歩しているので、愛想のものもますます深くなり強くなる。そのために最初と比べると、外的に愛を表現する必要さえもなくなるほどであり、夫婦にとって全てはもっと単純になる。一つの言葉、微笑み、注意、優しさ、単純な目配り、いやただそこにいるだけで、夫婦がどれ程深く愛し合っているかを証明するのに充分となる。

 よく言われるように「成熟に達した婚姻では、互いに愛し合っている夫婦の一致は極めて内的であり深いものであるので、互いに受け入れあっているがためにもはや二人の一致を探し求めると言うことはなくなってしまう。何故なら、もう二人が一致しあっているからだ。」

 しかし夫婦の愛は少しずつ彼らのもつ感情の連続した発展によってますます強まり成熟していくのであるから、彼ら相互の無数の奉仕の事実によってますます強烈になり養われていく。

(つづく)