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第69号 2002/12/20 四季の斎日の金曜日


アヴェ・マリア!

 兄弟の皆様、お久しぶりです。いろいろな別の仕事が入ってしまい、ご無沙汰をして申し訳ありませんでした。

 今回は、The Boston Globe紙 2002年11月25日号の抜粋をお送りしますが、内容があまりにも悲しくて、ノーコメントです。

 聖母に多くのロザリオの祈りを捧げましょう。

トマス小野田圭志 (聖ピオ十世会司祭)


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ロー枢機卿(Cardinal Law)は、イスラム教徒たちと祈りと食事と希望を共にする

 「バーナード・ロー枢機卿が祈りにやってきたのは、主日だった。胸には金の十字架をかけ、枢機卿の着る赤い縁取りの入った黒のスータンを着て、靴を脱いだ。イーマン(イスラムの僧)が日没の祈りを歌っている間、枢機卿は額づき、絨毯から数センチまで額を近づけ、アラーの神に賛美を捧げた。全く疑いもなく、ロー枢機卿は、昨夜は、ボストンのイスラム・センターで迷子になったような面持ちであった。しかし、決して場違いとは感じていなかった。善意の印として、ウェイランド(Wayland)のモスク(イスラム寺院)でラマダンの断食の行事に参加し、枢機卿はイスラム教徒たちの中で、全く自分の家にいるように感じると語った。

 「はい、違いはあります。しかし出発点、最も重要な点は、唯一の神を信じているということです。」と、彼らに枢機卿は語った。

 イスラム教徒たちは、ラマダンの断食節の間日の出から日没まで断食を捧げるが、日没後は食事(イフタール)をすることが許される。枢機卿は、祈りの後にイフタールに与り、イスラム教の創立者マホメットがしたように、ナツメヤシを食べて食事を始めた。そして、イスラム教徒たちは、サラダと鶏肉とご飯を食べた。イスラム・センターに来る家族は、約20カ国からの出身者たちで、そのほとんどが南アジア、中東出身である。食事の多様性も、出身地の多様性を反映している。

 枢機卿は、食事の後に短い演説をし、急進的平信徒が天主なしの生活を求めていることよりも、敬虔なカトリック者とイスラム教徒たちとは多くの共通点があること、を語った。

 「私は、ここの原理主義者の友人たちと共にいて自分の家にいるように感じます。彼らは、天主が私たちの生活の中心でなければならない、と確信しているからです。」と枢機卿は言った。

 枢機卿は、歴史を通して、2つの宗教の熱心党は、暴力をふるうことを正当化するために信仰を持ち出した、と語った。枢機卿は、前日の夕のような光景が、アメリカ合衆国のような多元主義の国において、難しい世界における模範となるだろうという希望となるだろうと述べた。

(The Boston Globe紙 2002年11月25日より)


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